フルーツサンドの配役
芝居には必ず配役がある。いや、世の中には“立ち位置”というものがつきまとうものだ。
もちろんそれが良い方向に進むこともあるし、時にはそれが足枷になることもある。
主役は脇役を尊重し、脇役は脇役であることを誇れるような、そんな関係性が一番良いのかもしれない←
そんな配役のお話。たぶん(笑)
9.10。赤羽。
「孤独のグルメ Season3 第1話」で松重豊こと五郎さんが訪れたプチモンドさん。あ、逆か。まぁいいや。
赤羽はわりと馴染みのある土地。
果物屋さん、という認識はあったのだけれど、店内に喫茶スペースがあることは知らなかった。
孤独のグルメの放送は3年前だ。土曜日とはいえ混んではいないだろう...という浅はかな思考。
ああ、満席だ。大盛況だ。もはや松重さんの座った椅子を選ぶという選択肢はなく、丸テーブルでおばさま達と相席させていただいた。
水に檸檬。
これだけでちょっと涼しくなる。
清涼感。清らかで涼しい、か。これほど涼しげな言葉は他を探しても見当たらないだろう。脱線した←
メニューを見るまでもなく、ここはもちろんフルーツサンドを注文。
おお、なかなかボリューム感がある。食べきれるだろうか。
一口。二口。三口。
どんどん食べてしまう、見た目よりも遥かに軽い口あたりだ。
柔らかいパン、に挟まれる、甘すぎず主張しすぎない生クリーム、に挟まれた、主役の鮮やかなフルーツたち。
バランスがいい。主役を立てる脇役。
それぞれの具材が自分の立ち位置を理解しているんだなあ、と考えると泣けてくる(意味不明←
とくにリンゴの歯ごたえが美味しかった。彼は食感担当だろう。
酸味担当のイチゴはやはり不動の安定感。
そして個性のあるフルーツたちをまとめる、隠れたリーダー担当は案外、バナナだったりする←
一番、安価と思われる果物がいい仕事をしている。やはり泣ける。
とにかく驚くべき軽さで、あっという間に平らげてしまった。唸った。美味しかった。
ごちそうさま。素敵な配役でした←